2021年の12月、ガラス作家のワダコーヘーさんの工房へお邪魔しました。
ワダさんは神奈川県横浜市にて制作しています。
▲“硝子”の文字、身が引き締まります
▲ガラスの工場勤務をされていた時のお写真
ワダさん曰く“一人工場”。
ガラスの工場で勤務していたこともあり、ワダさんの経験や知識が詰め込まれている工房。
そんなワダさんが今まで道のりを色々とお話してくださいました。
初めはモノづくりとは全く関係のない仕事に就いたものの、昔から好きだったモノづくりの道を諦めきれず、ガラスの専門学校へ。
そこで勉強して、ガラス関係の仕事に就いたものの、自分の作品では芽が出ないと一度諦めたそう。
それから大工や木工の仕事をし、別のモノづくりに携わっていました。
ただやっぱり諦めきれないガラスへの想いがあり、再びガラス工房で働くことに。
それから独立し、現在に至ります。
一度は諦めた道を再び志して、現在活躍されているワダさん。
ガラス作家としての志の高さが伝わってきました。
▲ワダさんが自身で金属の溶接など行い、自作した窯
ワダさんは基本宙吹きという技法で制作されています。
竿の先にガラスをつけ竿に吹き込んで空中で膨らませながら成形します。
吹いたあとは火切りという加工をして仕上げています。
ガラスは80度以上を超えると温度差で割れるためこの現象を利用して切る技術が火切りです。
火切りをした後、加工して削り、再度火を加えて炙る。
最後に温度を一定にするために全体に熱を加えてガラスが心地いい状態にしてあげるそう。
完成に至るまで数多くの工程を経て作られています。
▲火切りの様子
実際にワダさんが吹いてくださり、その様子を見させていただきました。
一般的にはペアになって作業するところを全て一人で行っているため、大変とおっしゃっていましたが、そう感じさせません。
無駄のない素早い動作です。
ワダさん自身のリズムがあって、作り出すガラスと一体になっているように感じました。
▲器用に手を動かすワダさん
お人柄も低姿勢で、どこか柔らかな雰囲気を放つワダさん。
気品があり、長く使っていきたいと思うワダさんのガラス。
ぜひ手に取っていただけますと幸いです。
Commenti